一人で法律事務所を経営する弁護士のためのサポートサイト

Lawyer's Helper

警察

警察がストーカー被害者を守る方法とは

投稿日:


 

ストーカー被害を受けている被害者にとっては,警察に相談することで身の安全が守られるというメリットは非常に重要です。

ところで,ストーカー被害で警察が被害者の身を守る場合,どのようなことをしてくれるのでしょうか?

今回は「警察がストーカー被害者を守る方法」について紹介します。

1 付きっきりの警備は期待できない?!

まず最初に厳しい現実へと目を向けておきましょう。
「警察に警備を依頼した」というと,24時間,警察官が被害者の身辺に付きっきりになって身の安全を守ってくれるというイメージがある方が少なくないのではないでしょうか。

残念ながら,警察による周囲の警備では,被害者の身辺に付きっきりでというわけにはいきません。
比較的大規模の警察署でさえ,ストーカー事件の捜査や対応を取り扱う生活安全課の職員は10名から15名前後の場合がほとんどです。

被害者が出勤したら職場まで尾行,仕事中は職場の周辺に待機,彼氏とのディナーの間は店の外でアンパンを食べて帰宅に合わせてまた尾行,部屋の電気が消えても車で待機なんて,ドラマだけのお話です。

日本中の警察署の生活安全課員を3倍に増員してもそんな対応は不可能でしょう。
付きっきりの警備ができるような,まるで高額で雇ったボディガードのような仕事はしてもらえないのです。

2 ストーカー被害者への警備の実状

警察がストーカー被害者から警備を依頼された場合,まず約束されるのが「警ら(パトロールのこと)を強化する」ということです。
地域警察官による警らには,定まったコースを定時に巡回するというルールはありません。

警らの強化依頼を受けた場合,地域警察官は1回の警らに最低1回,多くても2,3回程度,被害者の自宅の前を通って異常がないかを確認します。
もちろん,被害者の自宅周辺で挙動が不審な者を発見した場合は,積極的に職務質問をすることになります。

すぐさま犯人確保とはならなくても「この日,この時間には何ら異常がなかった」「周辺に誰々がいた」という細かな情報は,蓄積されることで大きな証拠や手がかりにつながります。

周辺を必ずパトカーが通過するようになれば,付きっきりではなくても身辺の安全確保に大きな効果を発揮します。

「異常があればすぐに通報してください」というのも,まるで場当たり的な対応に感じられがちですが,実は効果大です。

ストーカーに限らず,身辺に危険が及ぶおそれがある事件の被害者には『緊急通報システム』の利用が勧められます。

緊急通報システムとは,110番通報をした場合,通常は警察本部通信指令室のオペレーターが事案の内容などを聴取し指令が下されるところ,事前にシステムに登録した電話番号から110番通報をすることによって,オペレーターへの接続なしで即時指令が下されるものです。

あまり知られていませんが,携帯電話で110番や119番などの緊急通報をした場合,受理側には発信者の位置情報が自動で送信されています。

もし,外出先で目の前にストーカー犯人が立ちはだかっているような危険な状況でも,ポケットの中に忍ばせた携帯電話で110番通報をして放置しておけば通信指令室では周囲の音声を拾い続けるので,位置情報とともに情報を集約しながら警察官が現場に駆け付けることができます。

付きっきりにならなくても,通報すればカンタンに警察官を呼ぶことができるシステムが確立されているからこそ,日本においてはボディガードというビジネスが浸透していないのでしょう。

3 ちゃんと警備をしてくれているのかが心配

「ちゃんと警備してくれているかが心配」という声も珍しくありませんが,警備には「目に見える警備」と「目に見えない警備」があります。

目に見える警備とは,制服の警察官を多数配置したり,赤色灯を回転させたままのパトカーが常駐しているような「その場で何も起こさないため」の警備です。

一方,目に見えない警備とは,警備の対象となっている被害者,検挙の対象となる犯人,その他大勢の周囲の人に対しても,警察官であることを気取られずに周辺を警戒しながら,証拠や情報を収集することです。

事件発生直後の現場,お祭りの会場やマラソンのコースなどで展開されるのは「目に見える警備」ですが,そんなことを自宅周辺でされては,平穏な生活なんてできません。

ストーカー被害者に対する警備は「目に見えない警備」が主になることを覚えておきましょう。

いくら警備や通報受理の体制を整えたとしても,対象である被害者自身が注意を払ってくれないと,警備の意味がありません。

全て普段どおり,好き勝手にしていても警察が守ってくれるわけではないのです。

不必要な外出は控える,人気の少ない場所に近づかないなど,少々の不自由を我慢してこそ,警備の効果があることを理解することが,深刻な被害を防ぐ重要なポイントだと言えるでしょう。

 

この記事がお役にたちましたら「いいね!」をお願いいたします。


adスマホ用

adスマホ用

-警察

Copyright© Lawyer's Helper , 2017 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.