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離婚調停中の夫が押しかけてきた!警察の対処は?

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男女のトラブルが事件に発展するケースは非常に多く,当事者のみならず家族や近親者にまで被害が及ぶことも少なくありません。

悲惨な事件に発展し報道される度に,警察の後手にまわった対応が批判されており,一般的にも「警察に相談してもムダ」という風潮があります。

警察は民事不介入とはいわれていますが,実際のところは民事的な問題にもどんどん介入しています。

最終的な決定などは当事者に委ねるだけで,トラブルに発展するおそれのある事案にはむしろ積極的に介入しているのが現実です。
今回は離婚問題に関するトラブルについて,警察の在り方や対応に触れてみましょう。

別居中の夫が押しかけてきた!」警察はなにができる?

離婚調停中などの状態で,別居中の夫が自宅に押しかけてきたなどのトラブルは非常に多く発生します。

ここでは,特に多い「暴力的な夫と離婚調停中に,妻方に夫が押しかけてきた」というケースについて考えてみましょう。

何度も玄関ドアを叩いたり,インターホンをしつこく鳴らされて「帰って!」と伝えても居座るというケースは多々あります。
夫が,妻が断っているにもかかわらず自宅に入る,玄関前から退去しないなどの場合は『不法侵入』や『不退去』をすぐに考えると思います。
刑法上はどちらも『住居侵入』にあたるし,現に管理しているのが妻であれば夫の行為は住居侵入とみることができます。

しかし,現に妻が管理していることだけを理由に,夫が自身名義の家を訪ねて即検挙となるのは少し解釈が乱暴になってしまいます。

配偶者暴力(DV)が離婚を考える理由になっていて,それまでに警察署への相談や裁判所からの命令を受けていれば「警察に通報すれば夫を接近禁止命令違反で検挙して排除」で話が済みますが,届出をしていない場合はそうはいきません。

それまでに警察への相談や届出をしていない場合でも,まずは躊躇せずに警察に通報しましょう。
現場において身体や財産に危害を加えられる危険を回避することが何よりも先決です。

現場に到着した警察官に

●過去に暴力を受けた頻度
●最も被害が重い暴力の内容

などの項目の聴取を受けます。

これでDV事案としての扱いを受けることになりますが,大事なのはその場で警察官に対して「どうして欲しいのか?」をはっきりと伝えること。

DV事案を取り扱う際,警察官は警察が可能な方法を明示して被害者の意思を確認します。

警察が可能な措置としては,

  • 口頭注意
  • 暴行などで事件化して検挙
  • DV防止法に基いて警察署長から警告
  • 裁判所からの接近禁止を求める
  • 避難先の確保

などです。
ここで非常に多いのが,被害者が尻込みして「今は決められない」「口頭注意でよい」などと言うケース。

そうなれば夫に対して「必要があれば弁護士を通して連絡するように」などと注意するだけにとどまってしまいます。
もしその後に再び夫が押しかけてきても,裁判所の命令などの後ろ盾がなければ「警察としての対処が二度目なので検挙」というわけにはいきません。

ですから,最初から事件化や接近禁止の発令を求めるべきです。

現在は,被害者が事件化を望まない場合でも,明らかな負傷があるなどの場合は被害者を説得し,さらに被害者の了承が得られない場合でも警察が自ら認知した形をとって(つまり被害届がなくても)事件化をするように指導を受けています。

一昔前のように「民事不介入だから」などと言い訳をして何もしない時代ではないので,安心して警察に助けを求めてください。

※余談ですが,ここ数年,警察官の昇任試験でも「被害者が頑なに事件化を拒むDV事案に遭遇した場合の対処法」が頻出されています。

警察が来るまではどうする?自己防衛手段はあるか?

前述のケースで,警察官がくるまでの間はどうすればよいかを考えましょう。

当然ですが,玄関ドアや屋内に進入できるような窓の鍵を開けないようにして,夫が屋内に入ることを防いでください。
絶対にしてはいけないことは,1人で屋外に出て対応すること。

相手が興奮していれば,危害を加えられる危険が非常に高くなります。
また,相手に対して攻撃するのもNGです。
追い払おうとして2階から物を投げ,相手が負傷すれば自分自身が傷害に問われるおそれがあるし,さらに相手を興奮させてしまいます。

もし相手がドアを壊す,窓ガラスを割るなどして屋内に侵入した場合は,見つからないように屋外に逃げて隣家などに助けを求めてください。
また,壊されたドアやガラスなどは夫の暴力性の証拠になるので警察官が到着するまでそのままにしておくこと。

いずれにしても,身の安全の確保が最優先です。

押しかけが予想されていれば,親類方に避難する,緊急の場合は通報を依頼することをあらかじめ隣家などに求めておくなどの自己防衛手段を用意しておけば,被害は最小限に食い止められるでしょう。


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