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保釈請求の際,裁判官に面談を求めるべきか?

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裁判官は,保釈の請求があった場合,まず権利保釈に当たるかどうかを判断し,これに当たらないと認められる場合でも,進んで裁量により保釈を許すことができるかどうか,その当否についても判断します。

■ 裁量保釈を許可する基準

裁量保釈を許すべきか否かについては,当該事件の軽重,事案の性質,内容,情状,被告人の経歴,行状,性格,前科,前歴,家族関係,健康状態,公判審理の状況,勾留期間,共犯者がいる場合には共犯者の状況等の諸般の事情を総合的に考慮して,判断することになります。

したがって,裁量保釈の場合には,常に,身柄拘束の必要性の程度と保釈を必要とする事情の比較検討が必要になります。
しかも,保釈を許す場合,保釈は,保証金の納付を条件とする身柄釈放の制度ですから,刑事訴訟法(以下,単に「法」といいます。)93条1項により,必ず保証金額を定めなければなりませんし,被告人の住居を制限し(制限住居を定め),その他適当と認める条件を付することもできます(法93条3項)。
そうしますと,保釈を担当する裁判官は,権利保釈に当たるのか,それとも裁量保釈の案件なのか,保証金額をいくらと定めるか,制限住居をどこにするか,誰が身柄引受人として適切か,どのような事件関係者との接触禁止が必要か,再保釈を許すべきか否かなどについて検討することになります。

なお,保釈については,第1回公判期日後は受訴裁判所において担当しますが,ここでは,時期を問わず,裁判官が担当するものとして説明することにします。

■ 保釈請求に対する裁判官の意識

裁判官は,保釈の許否を決するに当たって,必ず検察官の意見を聴かなければなりません(法92条1項)。

この場合,実務では,裁判官名で作成した求意見書に弁護人等作成の保釈請求書を添付して検察官に送付する取扱いが行われています。
検察官は,求意見書の裏面又は余白に意見を記載するか,意見を記載した別紙を添付して裁判所に返送します。

検察官が保釈に賛成する場合には,「保釈相当」又は「しかるべく」と記載し,反対する場合には「保釈不相当」と記載するのが通例となっています。
そして,「保釈不相当」の意見の場合には,具体的な理由を記載するのが一般的です。裁判官としては,保釈請求書,検察官の意見書,一件記録を検討して,保釈の許否を判断しますが,事案が重大で,保証金の納付によっては逃亡を防止できない場合はともかく,保証金額をいくらと定めるか,制限住居をどこにするか,適切な身柄引受人がいるか,保釈を必要とする特別な事情とは何か,実刑判決後の再保釈は必要か,検察官の意見書の内容で確認すべき点はないかなどについて,弁護人の意見を聴きたいものと思われます。
弁護人から事情を聴くのは,事実の取調べに当たります(法43条3項)。
弁護人が,保釈の請求をしたのみで,裁判官との面談を求めてこない場合,裁判官の意識としては,弁護人自身が保釈に消極的である,あるいは保釈になることを諦めているという印象を受けるでしょう。

■ 保釈請求の際の裁判官面談の重要性

弁護人は,保釈の請求をした場合,保釈が許される可能性がある限り,積極的に,裁判官との面談を求め,その面談を通じて,保証金額の希望を伝えたり,望ましい制限住居,適切な身柄引受人の存在などを訴え,また,裁判官からの事情聴取に応じるなどして,保釈許否の判断材料を提供するのが望ましいといえます。

■ 裁判官との面談が望ましい場合とは?

裁判官も,保釈の許否の結果が,直接人身の自由やその家族の生活に深刻な影響を及ぼすだけに,悩む場合も多いでしょう。

したがって,弁護人においては,改正法でも検討されているように,身体の拘束の継続により,被告人が受ける健康上,経済上,社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度が大きい場合には,積極的に,裁判官との面談を求め,上記の点を裁判官に理解してもらうようにすべきものと思われます。


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