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警察が積極的に捜査する犯罪類型ベスト3!

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国選・私選を問わず,数多くの刑事事件を担当していると,意外にも警察が積極的に立件したり,反対になぜ捜査が進捗しないのだろうと疑問を感じることがあるでしょう。
今回は,警察からみた犯罪類型についてベスト3形式で紹介します。

警察の捜査対象として積極的な犯罪類型ベスト3

まずは捜査対象として積極的な犯罪類型です。

「捜査対象として積極的」というのは,犯罪に対する検挙率だけでなく,認知した場合に「これは被害届を受けて捜査するべきだな」と前向きに事件化をするだろうという主観を交えていますので,統計とは異なることをご了承ください。

第1位 窃盗

全刑法犯の認知件数のうち50%以上,都道府県によっては80%近くを占める窃盗が堂々の第1位です。

捜査対象として積極的な理由は「総合的な捜査が可能」という点にあるでしょう。

例えば,ある地区で空き巣が発生すれば「侵入方法はガラスを割るのか,戸締りをしていない窓から入るのか」「財布の中身を抜き取るのか,財布ごと盗むのか」などの複数件の被害から,同一犯人による犯行を分析して捜査の的を絞り込みます。

複数の被害から分析材料を多く得るほど犯人が特定されていくので,窃盗犯捜査の担当者は積極的に被害現場に臨場し,犯人特定の材料を探します。
もっとも,窃盗犯の大半は自転車やバイクを盗む『乗り物盗』と買い物商品を盗む『万引き』です。
認知も検挙もしやすく,制服のお巡りさんの点数稼ぎにもってこいであることも,件数を伸ばす要因でしょう。
「逮捕事件を除いて,乗り物盗や万引きでは刑事は臨場しない」なんてローカルルールがある所属もあるくらいですからね。

第2位 暴行・傷害

統計では『粗暴犯』と呼ばれる暴行・傷害が,今回の第2位です。
対面犯が多いとはいえ粗暴犯の検挙率は80%を超えるので,捜査対象としては非常に積極的であるといえます。
暴行・傷害に対して積極的な理由は「身体への被害である」からです。
何よりも大事なのは生命の安全です。

警察官は,万引きの犯人を捕まえても怒鳴り散らしたりはしませんが,暴行や傷害の現場では犯人を怒号で圧倒し,抵抗すれば取り押さえて現行犯逮捕します。
粗暴犯のうち,軽いケンカなどケガのない暴行で前科前歴がなければ送検を要しない『微罪処分』で対応でき,事件処理がカンタンであることも理由です。
ちなみに,統計上の第2位は自動車運転過失致死傷等ですが,これは人身交通事故を立件したものなのでここでは触れません。

第3位 福祉犯

福祉犯とは少年(未成年)の健全育成を犯す犯罪のことで,児童買春の周旋,児童ポルノ,年少者雇用などが挙げられます。
事件として認知した場合はほぼ100%,積極的な捜査がおこなわれます。

少年の将来を犯すことは許されないことが積極的になるもっともらしい理由ですが,一度でも福祉犯事件を見逃せば社会から強いバッシングを受けることが,警察が積極的にならざるを得ない本当の理由でしょう。
全く同じ理由で,DVとストーカーも同率第3位に挙げておきたいと思います。

警察にとって立証が難しい犯罪ベスト3

警察にとって立証が難しい犯罪もベスト3(警察からみればワースト3?)で挙げていきましょう。

第1位 脅迫

ちょっと意外かもしれませんが,脅迫ほど立証が難しい犯罪はないでしょう。
録音や文書があれば難易度はグッと下がりますが,言葉で言われただけで採証していないものであれば「言った,言わない」の話になってしまいます。

そうなると,前後関係や被疑者の粗暴性で証明することになるので,犯罪事実を特定するというよりも「この犯人はそういうことをしそうな人間です」という証拠にもならない証拠で勝負することになります。
実際のところ,物証がなければ被疑者が自認していないかぎり起訴にこぎつけることも難しいのですから,文句ナシの立証困難ベスト1です。

第2位 痴漢(強制わいせつ,または迷惑防止条例違反)

周防正行監督の『それでもボクはやってない』ですね。
この映画を観て,いかに痴漢事件の立証が不安定なものか分かった方も多いでしょう。

周囲の目撃情報もいい加減で「コイツが犯人に違いない」という決めつけのみで捜査が進む様子がよく描かれています。
夏場に多い露出狂も,不運にも不愉快なものを見せられた被害者の供述のみで勝負することになるのですから,取調べで自認させない限り立件は困難です。

第3位 詐欺

やはり立証困難の代表格といえば詐欺でしょう。
内心を様々な証拠で固めて「騙すつもりでした」と自供に追い込むわけですが,否認しようと思えばいくらでも抜け道があります。
抜け道を捜査で潰しても,公判で言い訳をして否認する犯人も多数ですから「これで間違いない!」といえる詐欺事件の立証は非常に困難です。

 

いかがでしたか?
総じて,明らかな証拠がない犯罪は立証が難しく,決め手となる証拠は犯人の自認という不安定なものに頼っているのが警察の捜査なのです。


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