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<保釈請求>「罪証隠滅のおそれ」の”判断”について検討する

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法89条4号の「罪証隠滅のおそれ」については、罪証隠滅の単なる抽象的な可能性では足りず、より具体的、実質的に判断すべきであると解されています。

では、より具体的、実質的に判断すべきであるとは、どういうことでしょうか。

それは、次のような思考方法を意味していると考えられます。

まず、罪証隠滅の対象となる事実は何か、予想される罪証隠滅の態様は何かを検討します。
次いで、予想される罪証隠滅行為の態様から考えて、罪証隠滅が客観的に可能な状況にあるのかどうかを判断します。

その上で、罪証隠滅が客観的に可能な状況にあるとして、被告人がそのような罪証隠滅行為に出る現実的具体的な可能性があるのかどうか、さらに、そのような罪証隠滅行為に出た場合に、果して実効性があるのかどうかを具体的に検討することになります。

最後に、被告人に罪証隠滅行為に出る意図が認められるかどうかを吟味します。

以上が、より具体的、実質的に判断すべきであるという趣旨と解されます。

ところで、実務においては、裁判員裁判が施行される前までは、法89条4号の「罪証隠滅のおそれ」が緩やかに解釈適用され、やや抽象的な判断に傾いた消極的な運用がなされてきましたが、裁判員裁判の施行を契機に、従前の「罪証隠滅のおそれ」に関する消極的な運用についての反省と見直しが提唱され、「罪証隠滅のおそれ」については具体的、実質的に判断すべきであるとして、近時は、統計上からも保釈の許可率の上昇が見られ、保釈の積極的かつ弾力的な運用が推し進められてきているものと思われます。

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