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失業給付の受給中にアルバイトはできるか?

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失業給付を受給しながら職探しを行い、受給が終了しないうちに十分な給料をもらえるところに就職できるのが理想です。

しかし、失業給付も前職より減額された形で受給するため、小遣い稼ぎぐらいはしたいと思う人もいるのではないでしょうか。
そこで、そのような働き方はできるか、誤魔化して失業の認定申告をした場合に危険性は無いのかについて、触れていきましょう。

失業給付を受給中に働けるか?

失業給付の趣旨は、職を失った場合に、次の職を見つけるまでに支払われる生活保障の給付金ということになります。

その趣旨から行けば、働いた場合は受給できなくなるようにも推論できますが、受給中に働いてはいけないというような法律上の規定はありません。
実際は契約期間・労働時間を一定以下に抑えれば、失業給付(通常は基本手当の給付を指します)をもらい続けることは可能です。
ただし、働かない場合に比べて減額などがされる可能性があると考えてください。

なお、働こうとする意思は大事でしょう。
働く気がないのに失職しているからと失業給付をもらうのは、受給する上での「失業」の状態では無いからです(雇用保険法第4条第3項、第10条の2)。

失業給付受給中に働く場合,失業給付はどうなる?

働き方によって、A.内職・手伝い、B.就労(基本手当の受給可)C.就職(就業手当の受給可)の3つに分かれると考えてください。

契約期間が7日以上、所定労働時間が週20時間以上、及び就労する日が週4日以上の雇用契約を結んで働くと、これはCの就職になります。

就業手当がもらえることはありますが、基本手当の給付はストップします。
もらい続けるのであれば、契約期間・労働時間がこの基準に達しないようにしましょう。

1日に4時間未満の労働はAの内職・手伝い、4時間以上の労働はBの就労となります。
就労した日に関しては、基本手当は支給されません。
ただし、所定給付日数(雇用保険法第22条)は変わらないので、その日の分だけ(受給期間終了までは)先送りできます。

内職・手伝いした日の分に関しては、基本手当は減額されて支給されます(雇用保険法第19条)。
減額のされ方は複雑ですが、例えば前職給与から計算した賃金日額が11,660円、基本手当日額5,830円とします。
減額分は、内職収入-控除額+基本手当-(賃金日額の80%)で計算され、控除額は年によって変わります。
平成27年8月1日以降の控除額は1,287円として、内職収入が1日6,000円であれば、減額は1,215円と計算されます。
基本手当は4,615円となりますが、1日の収入は10,615円と4,785円は増えます。
減額幅がマイナスになれば減額はされず、収入が10,615円を超えるとその日の基本手当は出なくなります。

認定申告は正確にすべきか?

法律的には雇用保険法第15条、雇用保険法施行規則第22条に基づいて正確に失業認定申告書を作成・提出すべきですが、実務的にはどのようなことがすぐ発覚するかが問題でしょう。

所定労働時間が週20時間以上で、31日以上の雇用見込みの契約を結ぶと、労働者は雇用保険に加入することになります(雇用保険法第6条①の2)。

これは就職の状況をハローワークがつかみますので、就職を申告しなければ簡単に未申告が発覚するケースと言えます。

その他、ハローワークの資料によると、就職・就労・内職・手伝いを認定申告書に記載せず、後に発覚したケースは不正受給の典型例とされています。

発覚の原因はハローワークの職員による抜き打ち調査、就労や内職をして失業給付を受給していることを知った人の通報の両方が考えられます。
少なくとも就労や内職をした日に関しては、正確に認定申告しておいたほうがいいと言えます(雇用保険法施行規則第29条)。

また、平成28年からはマイナンバー制度が開始(番号法が施行)され、労働保険と税務に関しては、すでに個人番号を記入して書類を提出することになっております。
税務(所得)の情報をハローワークがどう参照するかは現時点で不明ですが、不正受給の調査に利用する可能性はあります。
マイナンバー制度の動向については、今後も注目していきましょう。

認定申告で虚偽申告をした場合どうなるか?

虚偽申告が発覚した場合は、受給した失業給付は不正受給として返還し、さらに最大でその2倍を罰金として納付しなければいけません(雇用保険法第10条の4第1項)。
俗に言う3倍返しが待っています。
また返還金に関しては不正受給が発生した日の翌日から延滞金がかかります。
月に何十万円ともらうものですから、返還と納付の負担は生活を圧迫するでしょう。

また国への支払ですから、税や公的保険料と同様の扱いがされ、滞納すると財産の差し押さえを受ける可能性もあります(雇用保険法第10条の4第3項、労働保険徴収法第26条)。

悪質な場合は詐欺罪で告発されることもあるとされております。
上記の重みを十分考慮して、不正受給にならないよう失業の認定申告をしましょう。


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