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警察が告訴を受理するまでの流れとは?

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受理,不受理に何かと問題の多いのが告訴です。

告訴って,持ち込んだ後はどうやって受理の可否を判断しているのだろう?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
今回は,警察に告訴がなされた場合,どのように処理されて受理の可否が判断されるのかを説明しましょう。

受理検討期間があり一発受理はされない

警察で「告訴したい」と言うと・・・?

警察署に出向いて「告訴したい」旨を告げると,担当の課に取り次がれて事情を説明することになります。

刑法犯なら刑事課,少年犯罪や風俗などの生活事犯なら生活安全課,交通事故などなら交通課などのように所掌業務によって細分化されているので,内容によって取り次がれる課は異なります。

担当課で事案の概要や告訴の趣旨を警察官に説明することになりますが,統一して言えるのは「告訴は一発で受理されない」という点です。

警察には,告訴に関して『受理検討中』という扱いがあります。
ひとたび受理してしまえば速やかに捜査を遂げて送検する義務が発生するのが告訴です。

もし,受理後に捜査した結果,犯罪を構成しなかったとすれば,それまでの捜査は無駄になってしまう上に,それでも送検する義務があるので,ある程度の体裁が整った書類を揃えることになります。
これでは告訴人の不利益になり,なおかつ捜査経済上も無駄が多く発生します。

また,告訴権者であるか?公訴時効が完成していないか?などの要件を満たしているのかを吟味しないと,受理の後に実は要件を満たしていなかったことを理由に無効な告訴とすることは適当ではありません。

これらを事前に捜査し,適正な告訴であることを確認するためには,関係機関への照会なども考慮すると数日から数週間の時間が必要になります。
そのため,即時受理をせず一旦は受理検討中として,警察預かりの状態にするのです。(経過が全て明らかになっている場合は即時受理も有り得ますが,極々まれなケースです。)

持参した告訴状はどうなる?

告訴状を持参した場合は,コピーを警察が保管し,原本はその場で返却されます。
これは受理検討中の扱いになることを「告訴状を受理してもらった。」と誤解させないようにする措置です。
正式な受理時に原本の提出を受けるので,日付の欄は空欄にしておくと訂正や作成替えの必要がなくなるので良いでしょう。

また,これも運用によって差がありますが「検討資料として告訴状の写しを提出したが,告訴が受理されたわけではないことは理解した。」旨を記載した『確認書』などの記載を求められることもあります。

告訴の受理検討からの流れ

告訴意思を示された場合,担当の警察官は,告訴人,被告訴人,告訴事実の概要や詳細,告訴に至った背景,受理までに必要な捜査事項などを記載した書類を作成します。(各都道府県警察によって差があるかも知れませんが,概ね『告訴告発受理検討票』などと呼ばれます。)

検討票は,告訴状の写しなどの資料を添えて警察署内の決裁を受けた後,警察本部の所管課に報告されます。
警察本部の所管部課長の決裁を受けると,受理検討から終結まで,警察本部が各警察署の進捗状況を一元管理することになります。

実は,この警察本部による一元管理が厳格化されたのはここ数年のことです。
とかく告訴事件は警察署内でも面倒ごとのように扱われることが多く,捜査が行われずに放置されて大問題に発展する事例も少なくありませんでした。

刑事訴訟法に示された「速やかな捜査」が守られないために告訴人の不利益が発生する事例を防ぐため,警察本部の各課に告訴の担当官を配置し,進捗状況を管理することになったのです。

検討期間は数日から数週間は必要ですが,受理の可否については概ね1ヶ月程度で結論付けをするように指導されるので,長期未決は許されない仕組みになっています。

必要な捜査を終えて受理の可否が決定すると,通知を行うために告訴人を警察署に呼び出します。
受理になれば告訴状や資料の原本の提出,証拠品となる物件があれば押収のため『任意提出書』を記載する必要があります。
不受理であれば不受理の理由を説明されることになります。
適正になされた告訴であれば警察は不受理にすることができないので,単に面倒だとか「そこまですることではない。」などの気分のような話で不受理にされたわけではありません。

「不受理」と言われたら・・・?

不受理になるからには要件や告訴事実に何らかの穴があったと考えるべきです。

不受理の理由から告訴事実を見直し,罪名や告訴人を変更する,別の告訴事実で勝負するなどの対抗策を検討してみると良いでしょう。

告訴が受理されれば,担当課が責任を持って速やかに送検するだけであり,被害届の事件とは大差がありません。
身柄付きの送検でなければ送致書が『送付書』に変わり,被害届の代わりに告訴状が添付されるだけで,送致書類も何ら特別視はされません。

告訴は『捜査の端緒』でしかなく,捜査の手法や手続きには違いはない,と考えてください。

 

 
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