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固定資産の現況が地目と違っていたら?

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固定資産税の課税明細書で土地の地目を見てみると、所有者が自ら申請・申告した地目と違っているケースはあります。

課税明細書の地目のほうが実態は反映されているので、課税は適切にされているとも言えるのですが、なぜこんなことになるのか、さらに違っていた場合に問題は無いのか見ていきます。

固定資産評価の現況が地目と異なる場合、評価はどうなる?

土地の地目は不動産登記における登記事項となっており、不動産登記事務取扱手続準則第68条に基づき、法務局の登記官が現況・利用目的に応じて土地を判別し認定します。

固定資産税は、不動産登記による登記情報に基づき固定資産課税台帳を作成します。
土地が住宅用地であれば、自治体にも申告する場合もあります。

また長野県中野市や栃木県矢板市のように地目変更届の提出をお願いしている自治体もあります。
そうすると固定資産課税台帳の地目は不動産登記上の地目と一致するはずなのですが、現況主義に基づき地目を判定し、時には不動産登記上の地目と違った地目にして課税を行います。

例えば、もともと不動産登記上の地目は原野であり、固定資産課税台帳上も原野であったとします。
その後用途が変わり実際はもう住宅が建っているのに、地目変更の登記申請を法務局に行わなかったり、申告を自治体に行わなかったりすると、現況との食い違いが出てきます。
現況の調査を経て、固定資産評価上の地目は宅地と認定されます。

「固定資産税算定のための固定資産評価はどんなもの?」で述べたように、市街地の宅地は他の地目と違い、画地計算法という路線価を用いた形で評価がなされます。

市街地の原野が宅地に転用されたとなると、計算方式も変わり、また価値が上がるので固定資産税は高く計算されることになるのです。

自ら申告しない場合、課税台帳の地目はどの時点で変更になる?

上記のような例の場合、住宅用地申告書を自治体に提出する場合があります(地方税法第384条)。

また地目変更登記の手続きを1カ月以内に管轄の法務局に対して行わないといけません(不動産登記法第37条)。
それに基づき、課税台帳の地目も変更されます。

それではこの申告・手続きを行わない場合は、課税台帳の地目は、どの時点で変更されるのでしょうか。

市区町村毎にいる固定資産評価員(もしくは固定資産評価補助員)による現況調査は、年一回は行わければいけないとなっております(地方税法第408条)。
地目変更が5月、現況調査が6月であればその年には地目変更され、現況調査が6月で地目変更が7月であれば、翌年には地目変更される流れが想定されます。

よって、地目を変更した翌年か翌々年には、変更された後の地目に基づいて固定資産税が課税されることが考えられます。
以上のように、申告しないからと言っていつまでも変更が反映されないということはないのです。

申告しないことで罰則はあるか?

自治体に対して申告しない場合、10万円以下の過料という罰則規定自体はあります(地方税法第386条)。
また、必要な不動産登記申請を怠った場合の罰則も、同じく10万円以下の過料です(不動産登記法第164条)。
ただし実務上適用されたケースはほとんど聞かないのが現状です。

固定資産税は、未登記家屋についても現況調査が行われることにより、課税されることがあります。
固定資産税の課税明細書には、「未登記家屋」と表示されます。法務局としては特に罰を課して登記を求めるわけではないけれども、自治体は固定資産税を払ってもらわないと困るので、調査を基に課税してくるわけです。

上記のような状況ですと、不動産の所有者が知らないまま、いつの間にか土地は現況に基づいて評価され、固定資産税が計算されているということになります。

地目変更の登記申請自体の登録免許税はかかりませんが、関連資料の取り寄せには費用もかかりますので、申請しないほうがこのような費用をかけずに済むことになります。
真面目に手続きするほうが損をしているように見える点では問題というようにとらえられる面もあります。

ただし現状では実務上罰則適用されないだけで、今後は適用される可能性もありますのでご注意ください。

 

 

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