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共有不動産の固定資産税の課税は誰に対してなされるか?

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不動産を持っていると、固定資産税の支払いは身近なものと言えますが、夫婦による共同購入や法定相続などが原因で2人以上の共有状態になることも多々あります。

また年1度納税通知書が来て1年分の税額支払いが求められますが、支払の途中でも持ち主が変わることもありえます。
こういう場合、一体誰に課税されているのか、というのはよく考えないといけませんね。

固定資産税は原則誰に課されるか?

もっとも登記簿上の所有者が亡くなっていたとしても、相続人が自治体に申告しなければ、亡くなった者宛に納税通知書は届いてしまいます。

相続人が納税している分には自治体は税収を得られますので、問題が顕在化する可能性は低いでしょう。
滞納すると、相続人が届け出なかったことが問題化することは考えられます。

毎年1月1日現在の土地・建物・償却資産の所有者として固定資産課税台帳に登録している者に対して、その年度の固定資産税が課されるとされています(地方税法第343条第1項)。

土地・建物の所有者は基本的に登記簿に記載されている者ですが、亡くなっているなどで実際に変わっている場合は、1月1日時点で実際に所有している者とされています(地方税法第343条第2項)。
1月1日の状態で所有者を判定するので、その後変わったとしてもその年度の分は年間で支払うことになります。

また、不動産の売買においては、固定資産税の分担金を売主と買主の間で精算する慣行があります。
例えば平成28年の5月1日に所有権が移転したとすれば、28年1月1日は売主が所有者ですから、平成28年度の固定資産税は売主に課されます。

しかし、固定資産税でいう平成28年度は、28年4月1日~29年3月31日で納期限が設定されており、この年度のほとんどは買主に所有権があるわけですから、全面的に売主負担というのも変です。

というわけで売買で日割り精算し売主に支払う慣行があるわけです。暦年にあたる28年1月1日~12月31日で日割り負担するのか(売主が4カ月分負担)、平成28年度にあたる28年4月1日~29年3月31日で日割り負担するのか(売主が1カ月分負担)、それとも他の方法で負担するのかは、法律上決まりはありません。
不動産業者に任されているような状態です。

物件が共有の場合は、誰に課されるか?

法律の規定上は、共有者全員で連帯納付義務を負うとしています(地方税法第10条の2第1項)ので、全員に課税されていると言えます。

自治体によっては、持分に応じて税額を分け、各共有者に納付してもらうところがありますが、代表者1人に納付書・課税明細書を送付し、納付義務を課すところが多いと言えます。
兵庫県西脇市のように、課税明細書だけは共有者全員に送付するところもあります。

  • その自治体に在住
  • 持分が最大
  • 登記順位が1番の者

といったような要件があり、そのどれを使うかも自治体の判断となります(例えば渋川市税条例施行規則第22条)。
指定した代表者の変更を届出により認めているところもあります。

相続において遺産分割が決まらない間は、所有者が宙に浮くような状態になります。
多くの自治体では相続人の間で代表者を決め、代表者届を出してもらうことによって、その代表者に納付書・課税明細書を発送することになります。

もっとも、2人以上で共有しているうちの1名に限定しているとは言っても、あくまでも代表者ですから、その他の共有者も持分に応じて応分の負担をすべきでしょう(民法第253条)。
また、連帯納付義務を負っているということは、共有者の誰もが固定資産税全額を払うことになってもおかしくないということです(民法第432条)。
たとえ代表者1人に払わせようとしても滞納してしまうと、他の共有者が滞納分支払いの責任を負う点は注意が必要です。

 

 
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