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相続放棄の手続きと注意点とは?

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相続の案件で,

  • 被相続人の相続財産を調査した結果,借金などの消極財産しかない
  • 相続人が,生前の被相続人と交流や面識がなく,相続を希望しない

このような場合,「相続放棄」をすることになりますね。

■ 相続放棄のポイント<基本>

  1. 家庭裁判所に申述。家裁で受理されれば,相続放棄の手続き完了。
  2. 手続き完了により,相続放棄の申述をした相続人(=申述人)は,最初から相続人ではなかったことになるので,代襲相続は発生しません。
  3. 相続放棄は,他の相続人の同意や協議は不要で,申述人は単独で行うことができます。
  4. 相続人が未成年者の場合,法定代理人が申述人となります。
    ただし,法定代理人と未成年者が相続人であり,未成年者だけが相続放棄をする場合は,法定代理人と未成年者の利益が相反するので,未成年者に特別代理人の選任が必要となりますので要注意。
  5. 申述は,熟慮期間内に行う必要がありますので,気をつけましょう。
    熟慮期間=通常,相続の開始を知ったときから3ヶ月以内です。”被相続人の死亡時”,ではないです。

■ 熟慮期間を過ぎてしまった場合は?

「相続財産はないと思っていたが,相続の開始を知ってから3ヶ月以上経ってから,被相続人に借金があると判明した」という場合,熟慮期間は経過していても,「当初,債務の存在を知ることができなかったため,債務を認識した時点を起算点とする」として,債務の存在を知った時点を起算点として,3ヶ月以内であれば,相続放棄が認められる場合があります。

ですから,単純に”相続開始を知ってから3ヶ月を過ぎたから”と,相続放棄を諦めてはいけません。

■ 相続放棄の手続き<必要な書類>

申述先
被相続人の最後の住所地の家庭裁判所

必要なもの(最低限必要なもの)

収入印紙800円分申述人1人につき。
3人同時の場合,2400円分。
郵便切手申述先裁判所によって異なりますので,各裁判所に確認。
相続放棄の申述書

さらに以下の添付書類が必要です。

  • 委任状
  • 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
  • 申述人の戸籍謄本
  • 申述人の相続順位によって必要となる戸籍・除籍・改製原戸籍謄本(以下「戸籍」と記載。)
    申述人順位必要な戸籍類
    被相続人の配偶者/被相続人の子又はその代襲者(孫,ひ孫等)第一順位被相続人の死亡の記載のある戸籍
    申述人が代襲相続人の場合,さらに被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍
    被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)第二順位被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍
    被相続人の子(及びその代襲者)が死亡している場合,その人の出生時から死亡時までのすべての戸籍
    被相続人の直系尊属に死亡している人がいる場合,その人の死亡の記載のある戸籍
    被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(甥姪)第三順被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍
    被相続人の子(及びその代襲者)が死亡している場合,その人の出生時から死亡時までのすべての戸籍
    被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍
    申述人が代襲相続人の場合,被代襲者の死亡の記載のある戸籍

■ 相続放棄の申述書提出時の注意点

  1. 戸籍や住民票等は,すべて原本を提出するので,手元にコピーを残されることをオススメします。
  2. 複数の相続放棄をする場合など,同じ書類は1通でOKです。
  3. 同一の被相続人についての先行事件(相続の承認・放棄の期間伸長事件又は先順位相続人の相続放棄申述受理事件)がある場合,その事件で提出済みのものは提出不要。
  4. もし,申述前に提出できない戸籍等があるなら,申述後に追加提出可能です。裁判所に相談してください。

■ 相続放棄をするかどうかをすぐに決められないときは

事案によっては,相続財産の状況を調査しても,相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に,相続を承認するか放棄するかを判断できないことがあります。

 

その場合,「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立て」により,その期間を伸ばすことができます。

判断しかねるときは,期間を延ばして,慎重に判断しましょう。

焦ると,ろくなことがありません。


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