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ストーカー相談を受けた警察は,どう動くか?

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ストーカーの被害を受けている方にとっては,警察に相談した際の対応がどのようになるのかは非常に気になるところです。

今回は「ストーカー被害の相談を受けた際の警察の対応」について紹介しましょう。

ストーカー被害の件数増加の背景

警察庁が発表した2015年中のストーカー被害の件数は2万1,968件で,3年連続2万件を超える結果となりました。

警察が把握したストーカーの件数増加には,実は「長崎西海市ストーカー殺人事件」の発生が関係しています。
この事件は,三重県で発生したストーカー事件の犯人が,長崎県西海市にある被害者女性の実家に押し入って被害者の親族を殺害した事件です。

この事件の発生後,警察庁から各都道府県警察にストーカー被害の相談を厳密に受理するように指導がなされました。

事実,2011年の被害は1万5,000件に満たない件数でしたが,翌2012年には突如として2万件を超える件数を記録しました。

厳密にストーカー被害の相談を受理するようになったために件数が増加したという結果は「実は水面下に埋もれていた件数が多数存在していた」という事実を露骨に表してしまうことになったのです。

ストーカー相談の警察内部の取り扱い

ストーカー被害の相談を受理した警察署は,内部でどのような取り扱いをするのでしょうか?

ここでは,重要なポイントを2点ほど紹介しましょう。

管轄を問わずに受理

まずは「細大漏らさず,管轄を問わずに受理すること」です。

事件化の可否に関わらず,ストーカー被害の相談は細大漏らさず,必ず受理をします。
ご近所問題や他の犯罪などの相談とは異なり,所定の様式などを用いて相談を受理します。

また,犯罪被害は,被害の発生地を管轄する警察署が受理,捜査を行うのが基本です。
これをストーカー被害にまで準用したために痛ましい殺人事件が発生してしまったと言っても過言ではありません。

現在では,管轄外の警察署に駆け込んだとしても,相談を受理した警察署が被害者の保護対策などの措置を講じて,その後は関係各署と堅密に連携を取るよう指導されています。

全体本部への報告

次に「全件本部への報告」です。

ストーカー事件が世間に認知されたきっかけである『桶川ストーカー殺人事件』をはじめ,多くの痛ましい事件は,相談を受けた警察署が内々に事を進めたために最悪の結果を招いてきました。

現在,警察署で受理したストーカー被害の相談は,全件が各都道府県警察本部に報告されています。
警察本部による一元管理で,警察署独自の判断が許さず,対応の進捗なども管理することがねらいです。
警察署が場当たり的な対応をしていると,すぐに警察本部から厳しい指導と再対応を求められます。

警察署の怠慢は許されない管理体制が完成しつつあると言えるでしょう。

実際の対応と重要なポイントは?

警察署にストーカー被害の相談をすると,どんな対応をしてくれるのでしょうか?

相談受理時は「これがストーカーにあたるのか?」という軽微な内容でも,必ずストーカー被害の相談として所定の受理様式などに基づき相談を受理します。
「これくらいじゃ何もできないよ,帰った帰った」のような対応をする警察署は,今や再現ドラマの中だけの描写です。

例えば,交際していた男性に別れを告げたにも関わらず,相手の男性から「考え直して欲しい」と復縁を求めるメッセージなどが送信されただけでも,警察はストーカー被害として相談を受理します。

相談者の要望に応じて,相手方を呼び出して注意することさえ可能なのです。
「ストーカー予備軍」として扱われてしまう相手方にとっては非常に心苦しい話ですが,それくらい警察はストーカー問題に敏感になっているのです。

警察では,ストーカー被害の内容,頻度,相手方との関係などを一定の様式を基に被害者から聴取します。
交際の経歴など,細かい内容を聴取されますが,保護対策や捜査に必要な内容なので包み隠さず事実を述べましょう。
概要を聴取した後,被害者に対して「事件化するのか」「犯人に公的な命令を発して欲しいのか」「警察から厳重注意して欲しいのか」などの措置の選択を求めます。

もし,直接身体に危険が及ぶことが明らかですぐにでも事件化が必要だという場合は,被害者が事件化を拒んでも,警察が独断で被害を認知して事件化することがあります。

「危険度の高い状態は放置しない」という教訓を踏まえた対応が取られているのです。

ストーカー被害の相談をする際に重要なのは,被害者自身が「自分がどうしたいのか?」をはっきりと主張することです。
警察の不作為やたらいまわしによって引き起こされたものが大々的に報道されて目立っています。

一方で,被害者自身の曖昧な対応や意思表示によって警察の措置が後手に回り,事態が深刻化した事件のほうが大多数であることは報道されていない事実だということを知っておいて欲しいものですね。

 

 

 

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